だいよんき Q&A
質問12で「最終氷期には日本列島と大陸間の海峡は完全につながっていたのですか。」という問いがありましたが、
同じく琉球列島孤はどのような状況だったのでしょうか?どこかとつながっていたのでしょうか。
質問者 : 会社員OB(東京都)
最終氷期の海水準低下量と現在の海峡の水深ならびに現在の琉球列島周辺の構造運動(隆起/沈降速度)から考えると、 最終氷期最盛期における琉球列島と中国大陸との接続は考えにくく、また、 慶良間海裂とトカラ構造海峡の陸化についても考えにくいので、 最終氷期における琉球列島と中国大陸および九州との一大陸橋の想定は極めて難しいといえます。 最終氷期における海面低下に伴って、 琉球列島はいくらか陸域を増大させましたが、全体として、 島々から構成されていたものと考えられます。 当時の古地理図を描く際の最終氷期における海水準高度(水深)は約120 m(米倉ほか,2001)が提示されています。 この水深は,東シナ海大陸棚における最終氷期の水深=120±10 m (斎藤,1998)と調和的です。
[参考文献]
- 斎藤文紀(1998)東シナ海大陸棚における最終氷期の海水準.第四紀研究,37:235-242
- 米倉伸之・貝塚爽平・野上道男・鎮西清高編(2001)日本の地形1 総説.349p,東京大学出版会
回答者 : 河名俊男
2011年8月26日掲載
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