だいよんき Q&A
露頭断面に見られる化石周氷河現象(インボリューション)の形態分類について記載した論文はありますか.
質問者 : 公務員(青森県)
周氷河インボリューションの形態分類については, 宮田(1988)によりFrench(1976)が行った分類が紹介されています. また,この論文では著者の観察および既存研究に基づいて, 形態のみではなく堆積物の違いをも考慮した著者独自の分類も試みられています. さらに,成因論と問題点にも言及しており, 日本における周氷河インボリューション(の研究)を知るには貴重な文献であると思われます. 断面による形態分類ではありませんが,Vandenberghe(1992)は, 成因によって周氷河インボリューションの3次元構造がどのように異なるのかを示しています. 参考までに,回答者の拙文ですが,Koiwa(2003)では断面形の観察に加えて, 平面形を組みあわせて3次元構造を推定し,古環境の復元を試みました.
[参考文献]
- French, H. M.(1976) The Periglacial Environment. Longman, London,309p. (訳本あり:周氷河環境.小野有五訳(1984),411p,古今書院)
- Koiwa, N. (2003) Three-dimensional structure of involutions formed in a late Pleistocene tephra layer, notheastern Japan. Geomorphology, 52/1-2, 131-140.
- 宮田雄一郎(1988)密度逆転層による周氷河インボリューションの形成.第四紀研究,26,373-391.
- Vandenberghe, J.(1992)Cryoturbations: A sediment structural analysis. Permafrost and Periglacial Processes, 3, 343-352.
回答者 : 小岩直人
2008年2月8日掲載
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