「第四紀研究 地学教育別冊号」の刊行にあたって
2011年4月
日本第四紀学会会長 遠藤邦彦
企画担当幹事 植木岳雪・高田将志
3月11日14:46にマグニチュード9.0という東北地方太平洋沖地震が発生し,甚大な被害がもたらされました.
この災害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げるとともに,お亡くなりになられた多数の方々に心から哀悼の意を表します.
私達は関係学会・機関との連携のもとで,この地震と災害の実態の解明にあたるとともに,その中から多くのものを学びつつ,
地震国の国民として結束してこの災害から発する困難に立ち向かい,さらにその経験を将来に生かしていくことが求められていると思います.
日本第四紀学会はその一翼を担って努力していきたいと思います.
日本第四紀学会の学会誌「第四紀研究」の地学教育別冊号は,2010年6月の地学教育シンポジウムの内容を発展的にまとめたもので,
2012年度(平成24年度)からの新しい学習指導要領の先行実施によって,高等学校の理科が3科目必修となることに照準をあてています.
地学だけに目を向けるのではなく,高校生が物理,化学,生物,地学を等しく履修できるように,各学校が理科4科目の授業を開講するように,
さらに物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎の4科目を必修とするように,地学および理科教育の関係者,関連団体が協同して,
省庁,教育委員会,学校,マスコミに働きかけ,市民に向けて訴えましょう.
今回の地震災害ほど地球の営みのスケールの大きさと,その破壊力を我々に見せつけたものはないでしょう.
地学関係者,地学関連団体が今しなくてはならない最も重要なことは,児童・生徒・市民の地学を含む科学リテラシーの育成です.
学校教育の過程で,また社会に出て学ぶべきことは何なのか,改めて考える必要があります.
地球の真の姿,その様々な営み,地球と社会の多様な接点について,誰もが物理,化学,生物と共に学ぶことのできる機会を学校教育の場につくることは,
是非とも必要なことと考えます.この点で皆さんの力を結集していこうではありませんか.
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