日本第四紀学会
English

2011年度新研究委員会活動報告

第四紀学会最新情報のページへもどる

「最終氷期最盛期における北東アジアの生態系変遷と人類の応答」研究委員会(代表者:出穂雅実)

INQUA のHumans and Biosphere(HaB)コミッションにおいて採択された2012年度プロジェクト Human Technological and Behavioral Adaptation to the Last Glacial Maximum in Northeast Asia(Project No.1206)の国内における対応委員会として、 LGM における北東アジアの生態系変遷と人類の応答を具体的に再構成することを目的とする。 この目的を達成するため、南シベリア、モンゴル東北部、および北海道の当該時期の発掘調査を実施し、 遺物空間分布と石器製作技術等の考古学的分析から行動論的復元を行う。さらにこれらの考古学的分析結果を、 放射性炭素年代及びテフラ編年による地質学的対比によってLGM の北東アジアの考古学・自然環境データと広く対比し、 当該期の人類社会の変化プロセスと要因を明らかにすることを目標としている。

 2011年度以下の作業を行った。

  1. 2012年度に実施する第1回会議の準備作業を行った。
  2. 研究課題を整理するための文献調査、5年間の活動計画および実際のデータベース構築作業を首都大学東京にて行った。 これらの作業は、アルバイト1名による補佐を受けて行った。

 このページのトップへ

テフラ・火山研究委員会(代表者:植木岳雪)

 INQUA International Focus Group on Tephrochronology and Volcanology(INTAV)の国内における対応委員会として、 テフラの研究者が情報を交換し、研究を推進させることを目的とし、テフラの研究成果の電子データ化、野外巡検を伴う研究集会の開催を行うことを目標としている。 2011 年度は野外巡検を伴う研究集会の開催時期、開催場所を検討し、2013年3月頃に東京近郊で開催する予定とした。

 このページのトップへ

古気候変動研究委員会(代表者:公文富士夫)

INQUA における古気候委員会(PALCOMM)に対応する委員会として、日本および東アジアを中心とした古気候変動を解明するために活動する。 具体的には、1)5 万年前から現在までの気候変動の高精度解析、2)中・後期更新世の古気候情報の編年と統合、 3)ヒマラヤ・チベットの隆起活動と東アジア・モンスーン変動の解明、をおもな課題とする。

2011年度は1)の課題を重点としてWS の開催を目指したが、準備不足で実現できなかった。 2012年11月〜 12月に(日程と開催場所については関係者で調整の予定)、課題の対象を2) にまで拡大したWS を開催し、 更新世後期における日本版の気候編年層序(JIS)作成のための試案を作成し、提案する計画を立てた。

 このページのトップへ

古地震・ネオテクトニクス研究委員会(代表者:吾妻 崇)

INQUA のTerrestrial Processes, Deposits and History(TERPRO) のFocus Area Group “Paleoseismology and Active Tectonics” の国内における対応委員会として活動している。地層や地形に残された過去の地震や津波の記録が、過去の履歴を知り将来の災害に備えるための貴重な情報となることは、 2011年東北地方太平洋沖地震以降、特に注目が集まっている。しかし、この分野の研究方法や成果を具体的な防災計画へ活用する方策などは、まだ十分に確立されていない。 こうした基礎情報を社会にどう生かすかについて、関連分野の研究者にとどまらず見聞と議論を広めるため、 2011年度は南海トラフ沿岸(遠州灘沿岸)での野外集会の準備を進めた。新年度に入った2012年8月13日に静岡県磐田市の元島遺跡周辺、 御前崎などにおいて野外集会を開催した。

 このページのトップへ


第四紀学会最新情報のページへもどる