日本第四紀学会
English

第四紀とは

第四紀とは・・・

 「第四紀」(だいよんき)とは、地球の46億年にわたる長い歴史の中で、現在を含む最も新しい時代で、地球上に人類が進化・拡散し、活動している時代である。年代的には約260万年前から現在までの期間で、大きく更新世(第四紀はじめから1.15万年前まで)と完新世(それ以後現在まで)に2分される。第四紀は、高緯度の大陸に大規模な氷床が分布し、地球気候の寒冷化と温暖化が交互に起こり、それに伴い北半球の氷床や山岳氷河の拡大と縮小・世界的な海面の低下と上昇・植物や動物などの生物分布域の移動などがくりかえしおこった、自然環境変化の激しい時代である。このような自然環境の変化の激しい時代に、人類は原人から新人に進化するとともに、熱帯から寒帯まで、旧大陸から新大陸・オセアニアにまで分布範囲を広げ、完新世にはいると世界各地で農業を開始して、自然に適応するとともに自然を改変しつつ、様々な文化と文明を発展させてきた。

第四紀の定義についてはこちらもご覧ください


このイラストは,日本第四紀学会の主旨をご理解いただき
園山俊二先生に描いていただきました.

第四紀研究(第四紀学)とは...

 第四紀の地球は氷期・間氷期をくりかえすなかで自然界を変化させ、人類はその環境変化のなかで人間世界を作りつつ地球の自然を大きく変える存在となった。自然と人類が互いに深く関与している最も新しい第四紀の時代について、自然史と人類史を探求し、過去と現在における自然と人類の関係を理解し、地球環境と人類の未来について考えるのが「第四紀研究」である。日本では、50年前、地質学、地理学、古生物学、動物学、植物学、土壌学、人類学、考古学、地球物理学、地球化学、工学などの様々な研究分野の研究者によって「日本第四紀学会」が組織され、古環境を詳しく復元し、年代を高分解能で決定し、主として日本列島とその周辺地域における環境変遷の実態を明らかにしてきた。その成果は機関誌「第四紀研究」に発表されている。また第四紀研究に関する国際的な学術団体である「国際第四紀学連合」INQUAの活動にも積極的に参加している。さらに最近結成された「日本地球惑星科学会」、「日本自然史学連合」のメンバーでもある。